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AIに任せる仕事と、任せない仕事の見分け方|ホームページ更新の線引きを図解

AIに任せる仕事と任せない仕事の見分け方を扱う記事の表紙。外の円と内の円が重なる線画。

ホームページの更新でAIに任せる仕事と人が持つ仕事を分けるには、1件の作業を「入力」「判断」「出力」の3つに割ります。材料を読んで下書きを作る入力と出力はAIに任せ、公開してよいか、日付や金額は合っているかという真ん中の判断は、人が言葉にして渡す。この分け方なら、お知らせや実績の下書きと登録はAI、公開の可否と固有名詞の確認は担当者、料金や契約の判断は人だけ、という線が引けます。

まず、AI活用力を「任せる範囲」と「任せ方」の足し算として整理するところから始めます。

AI活用力を、任せる範囲と任せ方の足し算で考える

「AIを使っている」と「AIに任せている」は別のものです。総務省の2026年版の情報通信白書では、生成AIの活用方針を答えた日本の企業(515社)の86.4%が、何らかの業務で使っています。ただ、使い道で最も多いのは議事録やメール作成の補助で、約7割。使うことと、仕事を任せることには差がありそうです。

当社では、AI活用力をこの2つの足し算だと考えてます。1つ目は、任せる範囲を広げること。チャットAI(質問して答えをもらうタイプのAI)で誤字を直してもらうだけでなく、資料の作成や動画のテロップの修正まで頼めると知っているかどうか。2つ目は、任せ方を選ぶこと。丸投げでよいのか、途中に人の確認を挟むのか、そもそもAIではなくプログラムに向く仕事なのか。

ホームページの更新は、この2つを試すのに向いた仕事です。決まった形で増えていく記事が多く、頻度が高くて1件が短い。ただ、公開した文章は社外の人が読むので、任せ方を間違えると会社の名前で間違いが出ます。

AIにできる仕事と、任せると得になる仕事は同じではない

よく誤解されるところですが、この2つは同じではないと思ってます。外側の大きな円がAIにできる仕事、その内側の小さな円が任せると得になる仕事。2つの円の隙間に入るのが、できるけれど任せないほうがいい仕事です。

AIにできる仕事を外の円、任せると得になる仕事を内の円で示した二重の円。隙間に入る、仕組みにしたほうが早い仕事、成果に結びつかない仕事、問題を見直すのが先の仕事の3つ。
図解:AIにできる仕事と、任せると得になる仕事は同じではありません。隙間の3種類は、できても任せないほうがいい仕事です。RealAIze作成(2026年11月2日)。

隙間に入る仕事を、当社では3つに分けて考えています。1つは、仕組みにしたほうが早い仕事。日付だけ変わる定休日の案内なら、AIに毎回書かせるより、日付を入れたら文面ができる型のほうが速く、毎回同じ文面になります。2つ目は、成果に結びつかない仕事。誰も読まない更新履歴をAIで丁寧に書いても、サイトの成果は変わりにくい。3つ目は、問題を見直すのが先の仕事。問い合わせが来ないサイトでお知らせを増やす前に、問い合わせの導線を直すほうが先かもしれない。

この線は動きます。例えば動画のテロップ入れやカットは、少し前まで「AIでもできなくはない」程度に見ていましたが、精度が上がって、任せる仕事に移ってきました。

入力と出力はAI、真ん中の判断は人が言葉にして渡す

任せる仕事が決まったら、次は1件の仕事を3つに分けます。材料を読む「入力」、どうするか決める「判断」、文章や登録にする「出力」。AIエージェント(答えるだけでなく、ファイルを読み書きしたり、サイトに登録したりまで進めるAI)は入力と出力が得意で、真ん中の判断は人が持つほうがよいと考えています。

分かりやすいのは問い合わせメールの返信です。「返金してほしい」というメールに、返金の案内だけを送るのか、すぐ返金すると伝えるのか。この判断は、AIに任せきりにはできません。返金は会社の方針と責任に関わるからです。こちらに落ち度がない場合は返金の案内だけを下書きにする、と人が決めて伝える。その判断軸を言葉にしたものが、そのままAIへの指示文になります。

仕事を入力・判断・出力の3つの枠に分けた図。入力と出力はAIの担当で、真ん中の判断だけが人の担当として色が付いている。お知らせの更新に置き換えた例を各枠の下に添えている。
図解:材料を読む入力と、下書きを書く出力はAI。公開してよいか、日付と金額は合っているかなどの判断だけを人が持ちます。RealAIze作成(2026年11月2日)。

サイトの更新に置き換えたのが上の図です。入力は、日時や対象、写真といった材料を読むこと。出力は、お知らせの下書きを書いてCMS(記事や画像を管理する仕組み)に保存すること。真ん中の判断は、公開してよい情報か、日付と金額は材料どおりか、この写真を載せてよいか。ここだけが人の担当です。判断を言葉にしておけば、「金額は見積書の数字をそのまま使い、割引は書かない」のように、次からはAIに渡せます。材料の渡し方と依頼文の例は、AIでホームページを更新する方法にまとめてあります。

チャットAIでもエージェントでも、頼むときに人がやることの中心は変わりません。自分の仕事を言葉にして頼む。ここは昔も今も、これからも同じだと思ってます。

任せ方は3つ。丸投げ、人の確認を挟む、プログラムにする

任せる仕事と判断の境目が見えたら、任せ方を選びます。

  • 丸投げ:結果を人が見なくても困らない仕事。公開済み記事のリンク切れ確認など
  • 人の確認を挟む:社外の目に触れる仕事。お知らせや実績の下書きをAIが作り、担当者が確かめてから公開する
  • プログラムにする:答えが1つに決まる仕事。新着記事を日付順に並べる、終了日を過ぎたお知らせを一覧から外す

プログラムは、決めた手順どおりに毎回同じ結果を出す仕組みのことです。文面を考えるAIと違って、判断はしません。

会社のサイトで中心になるのは2つ目です。AIが下書きを作ってCMSに保存し、担当者がプレビューで確かめて公開ボタンを押す。この流れはAIネイティブなホームページ設計のポイント4で説明した形と同じで、当社のサイトでもそのまま運用してます。

確定した素材からAIが下書きし、担当者が日付や内容を確認してから公開し、実際の表示を点検する。
図解:AIの原稿作成と、担当者の確認・公開を分けた運用例です。

図の×印のついた点線は、AIから公開へ直接つながる道です。この道を使わないのが、確認を挟む任せ方の要点。AIが公開まで終わらせる速さより、担当者が公開前に確かめる手間のほうを取ります。

3つ目のプログラムは、AIエージェントに作らせることもできます。「終了日を過ぎたお知らせを一覧から外す処理を作って動かして」と頼めば、実行できる環境と権限が整っていれば、動かすところまで進めます。判断が要る部分だけAIが考え、決まった部分はプログラムに回す、というイメージです。決まった処理は毎回同じ結果になるので、確かめる点が絞れます。

先に決めるのは、動ける範囲とルール

任せる範囲を広げるときは、AIが動ける範囲を先に決めます。決めるのは3つ。

  • 触ってよい場所:お知らせ・実績・ブログの編集画面だけ。顧客情報やバックアップは見ない
  • できる操作:下書きの保存まで。公開と削除は人
  • 渡す権限:接続用のトークン(AIがサイトにつなぐための鍵)の許可は記事と画像の読み書きまでにし、AIを接続するユーザーは公開の権限を持たない役割にする

「公開はしないで」と文章で頼むだけでは足りません。AIは正しくログインした状態でも、日付を取り違えたり、材料にない実績を書いたりします。これは外から侵入されるのとは別の問題で、当社が使っているCMS「EmDash」のセキュリティの解説の4番目に書いた誤操作にあたります。防ぐ手段は、頼み方ではなく権限の側に置く。公開の権限を持たない役割でAIを接続していれば、AIが公開しようとしてもサイト側で止まります。ただし設定が正しいことが前提なので、鍵の許可の範囲とユーザーの役割は、最初に画面で確かめてください。

ルールと権限、確認の手順をそろえる作業は、AIに任せる準備を7つに分けたAI活用レベルを上げる7つの項目の5番目、「環境を整える」にあたります。最初から全部そろえなくても、動ける範囲と公開の権限が決まっていれば、お知らせの下書きは任せられます。

ホームページ更新の線引き。任せる・確認する・任せない

当社のサイト更新では、こう線を引いています。御社の事情に合わせて動かしてください。

任せる(AIが進める。下書きや洗い出しまで)

  • お知らせ、実績、ブログの下書きとCMSへの保存
  • 差し替える画像の候補出しと、説明文の下書き
  • 公開済みページのリンク切れ、スマホ表示の崩れの洗い出し(直すかどうかは人が決める)

確認する(AIが作って、公開前に人が見る)

  • 日付、時間、金額、連絡先が材料どおりか
  • 会社名、人名、商品名の表記
  • 写真を載せてよいか(写っている人の了解)
  • 公開してよい情報か、公開の時期は合っているか

任せない(人が決めて、AIには材料集めと下書きまで)

  • 料金の改定や契約条件の文面
  • 問い合わせへの最終回答、クレームへの返信
  • 会社として何を発信するかの方針

「確認する」に並んでいるのが、先ほどの判断です。何件か確認するうちに、どの判断なら言葉にしてAIに渡せるかが見えてきます。そこまで来た判断は、「任せる」の側に移します。

最初の1件は、頻度が高くて短い更新から

線引きができたら、サイト全体に広げる前に1件だけ通してみてください。向いているのは、頻度が高くて短い仕事。「来月のセミナー開催のお知らせ」を下書きまで頼み、日時を確かめて公開し、スマホの表示まで見る。1件通すと、どこで手が止まるかが分かります。止まった場所が、次に言葉にする判断軸です。

慣れないうちは、権限も下書きまでにしたうえで「下書きまでで止めて」とも伝えておき、確認に慣れてから、実績やブログなど材料の多い記事へ広げていく。この1件を公開後まで試す手順は、ホームページを自分で更新する方法で図解にしています。

線引きは一度決めて終わりではありません。AIの精度が上がれば「できる仕事」が「任せたほうがいい仕事」に移り、会社の方針が変われば「任せない」に戻る項目も出ます。見直すきっかけは、新しい種類の更新を頼むとき、使う道具を替えたとき、会社の方針が変わったときの3つです。

よくある質問

判断に特化したAIも出てきていると聞きます。判断までAIに任せてはいけませんか?

判断を手伝うAIはありますが、会社のサイトで公開の可否、金額、契約条件を決めるのは人に残すことを当社は勧めています。AIに渡すのは判断そのものではなく、判断の基準を言葉にしたものです。基準がはっきりした判断から順に、言葉にして渡す範囲を少しずつ広げます。

AIの下書きを確認する時間が取れず、結局自分で書いたほうが早いのですが。

確認する項目を、日付・金額・連絡先・固有名詞・写真・公開の可否に絞ると、1件あたりの確認は短くしやすくなります。それでも自分で書いたほうが早い仕事は、AIにできても得にならない仕事なので、使わない判断で問題ありません。よく頼む作業の頼み方を手順書として保存しておくと、2件目以降は下書きの直しを減らせます。

答えが決まる処理はプログラムにする、と言われても社内にプログラムを書ける人がいません。

Claude CodeやCodexのようなAIエージェントは、実行できる環境と権限の設定を整えれば、ルールを言葉で伝えるとプログラムを書いて動かすところまで進められます。社内で用意するのは、「掲載期限を過ぎた求人情報は一覧から外す」のような条件を言葉にすることです。できたプログラムの結果は、最初の数回は人が見て確かめます。

任せる・確認する・任せないの線引きは、担当者が替わったら引き直す必要がありますか?

担当者が替わっただけでは変わりません。見直すのは、会社の方針が変わったときや、使う道具を替えたときです。引き継ぐべきなのは、判断の基準を書いた指示文と確認の手順で、担当者個人のチャット履歴ではなく、サイトの管理資料と一緒に残しておきます。当社のAIエージェントのセットアップ(AIがサイトを更新できるように接続と権限を整える作業)には、AIへの頼み方をまとめたマニュアルが含まれます。

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