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ホームページ担当者がいまAIを学ぶ理由。差がつくのはチャットの先、更新の内製化

ホームページ担当者がAIを学ぶ理由を扱う記事の表紙。外注の矢印が社内の机へ戻ってくる線画。

会社のサイト担当者がいまAIを学ぶ理由は、AIを「使っている」だけでは、成果の実感につながりにくいからです。チャットで文章を作るだけなら、すでに多くの会社がやっています。差が出るのは、更新の下書きをAIに任せ、人が確認と判断に回るところ。外注していた更新を社内で完結させられれば、外注に出す作業と待ち時間を減らせて、担当者の仕事の中身も変わります。

使っている86.4%と、効果が出ている9%の差

総務省の2026年版の白書では、日本の企業の86.4%が何らかの業務で生成AIを使っています。調査は2026年1〜2月、日本の515社が対象で、活用方針が「わからない」と答えた企業は除いています。使い道で最も多いのは議事録やメール作成の補助で、約7割。出典は総務省 令和8年版 情報通信白書です。

使い道で最も多いのは文章の補助なので、多くの会社の「使っている」は、まずここから始まっていると考えられます。ここまでなら、もう珍しくありません。

次は別の調査です。PwC Japanの2026年の調査で、売上高500億円以上の大企業に限ると、87%が生成AIを活用・推進しています。一方、活用している回答者のうち、期待を大きく上回る効果が出たと答えたのは9%。米国は38%でした(2026年2月、日本の932人が対象。出典:PwC Japan 生成AIに関する実態調査2026 春)。使っている会社は多いのに、効果を実感できている会社は少ない。この差がどこで生まれるのかが、AIを学ぶ理由につながります。

生成AIを使っていない会社、チャットで文章を頼むところまで使っている会社、繰り返す仕事をAIに任せて人が確認と判断に回っている会社を左から右へ3つの箱で並べ、2つ目と3つ目の間に差が出ることを示した図。
図解:「使っている」会社の中でも、繰り返す仕事をAIに任せるところまで進めているかは、会社によって違います。RealAIze作成(2026年11月2日)。

図の真ん中が、チャットで文章を頼むところまで生成AIを使っている会社。右が、更新や制作のような繰り返す仕事をAIに任せ、人が確認と判断に回っている会社です。当社は、差が出るのは真ん中から右へ進めるかどうかだと考えています。チャットで文章を作れるかどうかではありません。ホームページで言えば、お知らせや実績、ブログの更新が、この繰り返す仕事にあたります。

採用と求人の条件に、AIのスキルが入り始めた

学ぶ理由は、会社の外にもあります。MicrosoftとLinkedInの2024年の調査では、AIのスキルがない人は採用しないと答えた経営層が世界で66%でした(出典:2024 Work Trend Index)。2024年の、世界全体の数字です。日本だけの集計ではありませんが、採用側の基準が動く方向は読み取れます。

賃金にも差が出ています。PwCが求人広告10億件以上を調べた2026年の報告では、AIのスキルを求める求人は、同じ分野の求人より賃金が平均62%高い(27か国の平均で、日本だけの数字ではありません。出典:PwC 2026 Global AI Jobs Barometer)。これは求人票どうしの比較で、今いる人の給料が62%上がるという意味ではありません。それでも、同じ分野の求人の中で、AIのスキルを求める求人に高い条件が付く傾向は見て取れます。

一方で、AIに置き換わりやすい仕事の募集は減っています。海外のフリーランス仲介サイトを調べた研究では、ChatGPTの公開から8か月で、文章作成やプログラミングの募集が手作業中心の仕事と比べて21%減りました。Demirciらが2025年にManagement Science誌で発表した研究で、論文(英語)が公開されています。仕事の中身も入れ替わります。世界経済フォーラムの2025年の報告では、2030年までに仕事に要るスキルの39%が変わる見通しです(出典:Future of Jobs Report 2025)。

サイト担当者に置き換えると、こうなります。お知らせの文章を書くだけの作業は、AIが下書きできる範囲に入りました。AIに下書きを任せ、確かめて公開する流れを回せることは、作業そのものとは別の技能です。同じ更新の仕事でも、自分で打つ側に立つか、AIに頼んで確かめる側に立つかで、任される範囲は変わっていくと思ってます。

作って納めるか、更新まで回せる形で納めるか

サイトを作る会社の側も、同じ変化の中にいます。当社は、AIで速く作るだけでは差が出にくくなると見ています。速く作れる会社が増えるほど、同じ成果物の値段は比べられやすくなるからです。

そこで、もう一つの考え方が要ります。AIで速く作るのではなく、AIを組み込んで納める。Web制作なら、サイトと一緒に、AIで更新できる仕組みまで納品するというイメージです。AIネイティブなホームページ設計は、この考え方を制作の側から形にしたものです。発注する側にとっては、納品物に何が含まれるかを見る基準になります。

図で使う言葉を先に補います。入力欄は、タイトルや本文を別々に入れる画面の欄。AIとの接続は、AIがサイトに下書きを保存できるようにする設定のことです。

サイトを作って納める場合と、入力欄・AIとの接続・頼み方の手順まで含めて納める場合を左右に並べ、公開後の更新を制作会社に頼んで待つ流れと、担当者がAIに頼んで確かめて公開する流れの違いを示す比較図。
図解:「作って納める」と「更新できる仕組みごと納める」では、公開後の更新を誰が回すかが変わります。どちらも公開は人が判断します。RealAIze作成(2026年11月2日)。

左は、これまでの「作って納める」。公開後の更新は制作会社へ依頼し、反映を待ちます。右は「更新できる仕組みごと納める」。入力欄、AIとの接続、頼み方の手順まで含めて渡すので、公開後の更新を担当者が回せます。契約や保守の内容によって、公開後の更新にかかる作業と費用が変わります。

外に頼んでいた更新を、社内で完結させる

発注する側で起きる変化が、内製化です。外に頼んでいた作業を社内で済ませること。サイトなら、お知らせや実績の更新を制作会社に依頼せず、担当者が自分で公開するところまでを指します。

例えば、お知らせを1件出す場面。制作会社へメールで原稿を送り、見積もりや反映を待つと、公開まで数日かかることがあります。更新できる仕組みがあれば、担当者がチャットで「このメモをお知らせにして」と頼み、AIが下書きを作ってサイトに保存し、担当者が確かめて公開する。待つのは、自分が確認する時間だけです。頼み方の実例はAIでホームページを更新する方法にあります。

ニュースの新規作成画面。タイトル、一覧画像、本文をそれぞれ入力できる。
実画面:当社コーポレートサイトのニュース作成画面(2026年10月21日撮影)。タイトル、一覧の画像、本文が別々の欄に分かれています。

当社サイトのニュース入力画面です。タイトル、一覧に出る画像、本文が別々の欄に分かれています。欄が分かれていると、AIに渡す情報も、人が確かめる場所も決まります。

ただ、仕組みを入れただけでは内製化になりません。社内に、AIに頼める人と、下書きを確かめる人がいて、初めて回る形です。「社内にAIを使える人がいるから内製化できた」という順番なので、担当者がAIを学ぶことは、外注に出している作業を減らせる条件の一つになります。外注費にどれだけの作業が含まれているかはホームページの管理費の内訳で、今のサイトを自分たちで更新できるかはホームページを自分で更新する方法で確かめられます。内製化した後も、デザインの変更や新しい機能の追加は制作会社の仕事です。

早く終わった分の時間を、どこに回すか

更新が速く終わるようになると、次の問いが出てきます。空いた時間で何をするか。早く終わったあとの時間を何に使うかが、担当者の仕事の幅を決めると、当社は考えています。

サイト担当者なら、問い合わせの内容を見て直すページを決める、実績の記事を増やす、公開後のアクセスを見て次の更新を決める、といった判断の仕事があります。更新の作業に追われていると、後回しになっていた部分です。

もう一つは、別の技能を足すこと。自分の専門分野はAIで時間を浮かせ、浮いた時間で写真や文章、数字の見方など、もう一つの技能を学ぶ。専門分野と新しい技能の組み合わせは、AIにも他の人にも置き換えにくい形だと思ってます。学ぶときもAIに質問できるので、独学は以前より始めやすくなっています。

最初に手を付けるなら、サイトの更新

AIを学ぶと決めたとき、何から手を付けるか。サイトの更新は、最初の題材に向いています。頻度が高く、1件が短く、形が決まっているので、練習になります。さらに、人が確認してから公開するので、AIの下書きに間違いがあっても公開前に止められます。

学ぶ順番は、チャットAIに慣れる、道具を知る、ほかのアプリとつなぐ、エージェントに任せる、環境を整える、仕組みに変える、働き方を変える、の7つに分けられます。エージェントとは、チャットで答えをもらうだけでなく、お知らせの下書きをサイトに保存するところまで、AIが自分で作業を進める使い方のことです。チャットに慣れている人なら、4つ目の「エージェントに任せる」から始めても構いません。その順番と、各項目でのサイト更新の例を、AI活用レベルを上げる7つの項目にまとめました。

任せる範囲を決めるときは、AIにできる仕事と、任せると得になる仕事が同じではない点に気をつけます。お知らせや実績の下書きと登録は任せ、公開してよいか、日付や金額、写真の判断は人が持つ。この線引きはAIに任せる仕事と、任せない仕事の見分け方で扱っています。

どの段階でも土台になるのは、仕事を言葉にして頼むことです。「来週の休業のお知らせを出したい。対象は来店のお客様で、電話は通じる」。この一文が書ければ、更新の仕組みが整ったサイトでは、そのまま下書きの依頼になります。

よくある質問

サイト担当者がAIを学ぶには、プログラミングも覚える必要がありますか?

必要ありません。担当者に求められるのは、載せたい内容を言葉にしてAIに頼み、返ってきた下書きを確かめて公開を判断することです。AIとサイトをつなぐ設定や権限の範囲は、制作側が用意できます。チャットでの頼み方に慣れたら、次は、AIが下書きの保存まで自分で進めるエージェントに任せる練習に進む順番です。

会社ですでにChatGPTを導入しています。それでも学ぶことはありますか?

あります。チャットで文章を作る使い方と、サイトの更新をAIに任せる使い方は、必要な知識が違います。後者では、AIをサイトにつなぐ接続、AIに渡す権限の範囲、公開前に人が確かめる手順を知る必要があります。チャットの画面で完結しない分、覚えることは増えますが、プログラミングは要りません。

AIに更新を任せると、担当者の仕事はなくなりませんか?

作業の中身が入れ替わります。下書きの作成とサイトへの登録はAIが受け持てますが、何を載せるか、公開してよいか、日付や金額が合っているかを決めるのは人です。更新の作業に使っていた時間は、問い合わせを見て直すページを決めるといった判断の仕事に回せます。

今のサイトは制作会社が管理していて、自社では更新できません。何から始めればよいですか?

まず、管理画面にログインできるか、担当者に編集の権限があるか、直したい箇所が編集できる作りになっているかを制作会社に確かめます。3つがそろわない場合は、お知らせやブログの部分だけにAIで更新できる仕組みを足す方法と、サイトを作り直す方法があります。どちらを選ぶかは、今のサイトの構成と、社内で更新したい内容の量で決まります。

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