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エージェントスキルとは?Claudeのスキルの仕組みと作り方を、ホームページ更新の例で解説

「エージェントスキルとは」の文字と、書類が入ったフォルダのアイコンを描いたシリーズ25の表紙画像

エージェントスキル(Agent Skills)は、仕事の手順やルール、参考にする資料をひとつのフォルダにまとめて、AIに渡す仕組みです。中心になるのはSKILL.mdという説明書で、AIはふだん名前と使いどころだけを覚えておき、関係する仕事を頼まれたときに中身を読みます。もとはAnthropicがClaude向けに作った形式で、2025年12月にオープンな標準として公開されました。いまはChatGPTやCodex、Geminiも同じ形式のスキルを読み込めます。

毎回プロンプトで説明していた「お知らせの書き方」や「事例ページの項目」をスキルにしておくと、担当者が替わっても、下書きの形がそろいやすくなります。

スキルのフォルダの中身を示した図。必須のSKILL.md(名前・使いどころ・手順)と、任意のreferences(参考資料)・scripts(プログラム)・assets(素材)が入っている
図解:スキルは、仕事の手順書を入れたフォルダ。RealAIze作成(2026年11月4日)。

エージェントスキルとは、仕事の手順書をフォルダにしてAIに渡す仕組み

エージェントスキル(Agent Skills。以下、スキル)は、AIに覚えておいてほしい仕事のやり方を、1つのフォルダにまとめたものです。新しく入った社員に、業務マニュアルと書式のひな形、よく使う資料をひとまとめにして渡す場面を思い浮かべると近いでしょう。

フォルダの中心は、SKILL.md(スキル・エムディー)という説明書のファイルです。ここに、そのスキルの名前、どんな仕事のときに使うか、どういう手順で進めるかを書きます。手順のほかに、参考にする資料や、決まった処理をする小さなプログラムを同じフォルダに入れることもできます。

もとはAnthropicがClaude向けに2025年10月に発表した仕組みで、同じ年の12月にオープンな標準、つまりどの会社でも同じ形式を使える共通の決まりとして公開されました。いまは仕様がAgent Skillsの公式サイトにまとめられ、ChatGPTやCodex、Geminiも同じ形式のスキルを読み込めます。Anthropicの発表

毎回のプロンプトと何が変わるのか

AIに頼むたびに「お知らせは300字以内で」「日付は曜日まで書く」と説明していた内容を、スキルなら一度書いておくだけで済みます。AIは関係する仕事を頼まれたとき、自分でスキルを選んで中身を読みます。担当者が替わっても、頼み方が人によって違っても、仕事の手順がそろいやすくなります。

AIはスキルを3つの順番で読む

スキルをたくさん入れておいても、AIの動きが重くなりにくい作りになっています。AIはすべてのスキルを最初から読み込むわけではないからです。

AIがスキルを読む3つの順番の図。1.名前と使いどころだけ覚える、2.関係する仕事が来たらSKILL.mdを読む、3.必要な資料やプログラムだけ使う
図解:AIは、スキルを必要な分だけ読む。RealAIze作成(2026年11月4日)。
  1. 名前と使いどころだけ覚えておく:AIは起動したとき、各スキルの名前と説明文だけを読みます。本棚に並んだマニュアルの背表紙を眺めておくようなものです。Claudeの公式ドキュメントでは、このとき使う量はスキル1つあたり約100トークン(トークンはAIが文章を読む単位)とされています
  2. 関係する仕事が来たら説明書を開く:頼まれた仕事が説明文と合えば、そのスキルのSKILL.mdを最後まで読みます
  3. 必要な資料だけを取り出す:手順の中で参考資料やプログラムが必要になったときに、そのファイルだけを開きます。プログラムは中身を読まずに実行し、結果だけを受け取ります

このように必要な分だけを読むので、社内の表記ルール、お知らせの書き方、見積もりの作り方と、仕事ごとにスキルを分けて入れておけます。Claudeの公式ドキュメント

スキルの中身は、説明書1枚と参考資料・道具

スキルの形は公式の仕様で決まっています。必須なのはSKILL.mdだけで、ほかは仕事に合わせて足します。

  • SKILL.md(必須)は、名前、使いどころの説明、手順を書く説明書です。ホームページの更新なら、お知らせを書く手順と、確かめる項目がここに入ります
  • references(参考資料・任意)には、長いルールや見本の文章を入れます。表記ルールの一覧や、過去のお知らせの見本が当てはまります
  • scripts(プログラム・任意)は、決まった処理をするプログラムです。文字数や使わない言葉を数えるチェックなどに使います
  • assets(素材・任意)には、ひな形や画像を入れます。事例ページのひな形やロゴが代表です

SKILL.mdの先頭には、名前(name)と説明(description)を書きます。名前は英小文字・数字・ハイフンで64文字まで、説明は1,024文字までという決まりがあります。説明文は、AIがスキルを選ぶときの手がかりになるため、「どんなときに使うか」をはっきり書くのがコツです。手順の本文は500行未満に収め、長い資料は参考資料のファイルに分けるよう、仕様で勧められています。

プロンプト・MCP・Gemとの違い

スキルと混同されやすいものに、プロンプト、MCP、GPTsやGemがあります。役割で分けると違いが見えてきます。

名前

ひと言でいうと

AIに渡すもの

読み込むタイミング

プロンプト

その場の依頼

今回の仕事の指示

送ったときに毎回

スキル

仕事のやり方

手順・ルール・資料・プログラム

関係する仕事のときだけ

MCP

道具とのつなぎ口

ほかのサービスを操作する手段

AIが道具を使うとき

GPTs・Gem

決まった役のAI

役割の指示と資料

その専用のAIを開いたとき

プロンプト・スキル・MCPの役割の違いを示した図。プロンプトは頼むこと、スキルはやり方、MCPはほかのサービスとつなぐこと
図解:頼む・やり方・つなぐ、の3つを分ける。RealAIze作成(2026年11月4日)。

MCP(エム・シー・ピー)は、AIとほかのサービスをつなぐ共通の決まりです。CMS(ホームページの管理画面)やGoogleドライブにつなぐと、AIが下書きを登録したり、資料を読んだりできるようになります。スキルが「どうやるか」を教えるのに対して、MCPは「どこに手を伸ばせるか」を決めるものです。2つを組み合わせると、「お知らせの書き方」のスキルに沿って作った下書きを、MCPでCMSに登録する、という流れが作れます。MCPのくわしい仕組みは、MCPとは?AIとアプリをつなぐ共通の規格を図解で解説で解説しています。

GPTsやGemは、決まった役割を持たせた専用のAIを作る機能で、使うときはその専用のAIを開く必要があります。一方のスキルは、ふだんのチャットの中でAIが自分で選んで使うもの。そこが違いです。GeminiのGemは、スキルへの切り替えが決まっています。18歳以上の個人のアカウントでは、2026年11月17日からGemが読み取り専用になり、12月17日に削除される予定です。作ってあったGemは、自動でスキルに作り直されます。Geminiのヘルプ

どのAIで使えるか

2026年11月時点で、各社の公式ページで確かめた対応状況です。

AI

使える場所

追加のしかた

呼び出し方

Claude(アプリ)

Free・Pro・Max・Ultra・Team・Enterprise

設定でコード実行を有効にし、「Customize」の「Skills」からZIPで追加

仕事に合わせて自動で選ばれる

Claude Code

パソコンで動く開発向けのClaude

決まったフォルダ(.claude/skills)に置く

自動、または「/スキル名」

ChatGPT・Codex

ChatGPTのデスクトップアプリ、Codex

決まったフォルダに置く。プラグインに入れるとWebとスマホのChatGPTでも使える

自動、またはChatGPTは「@」、Codexは「$」

Gemini(アプリ)

18歳以上の個人のGoogleアカウント

設定のスキルの画面で作成、またはSKILL.mdを取り込む(MacアプリとWeb版のみ)

自動、または「/」(今後「@」に変わる予定)

Claudeでは、Team・Enterpriseプランならスキルを同僚と共有したり、組織のライブラリに公開したりできます。Claudeのヘルプ

ChatGPTとCodexの対応はOpenAIの公式ドキュメントに載っています。Geminiの仕事用・学校用のアカウントでは、スキルはまだ使えません。Googleは、近く使えるようにする予定としています。同じSKILL.mdを使い回せるため、たとえばClaudeで作ったスキルを、Geminiに取り込んで使うこともできます。

ホームページの更新で使うスキルの例

会社のホームページで繰り返す仕事は、スキルにしやすいものばかりです。当社でもブログの下書き、表記のチェック、事例ページの登録といった作業をスキルに分けて使っています。

スキルの例

SKILL.mdに書くこと

一緒に入れる資料

変わること

お知らせの書き方

見出しの付け方、日付と曜日の書き方、問い合わせ先の載せ方

過去のお知らせの見本3本

誰が頼んでも、お知らせの形がそろいやすくなる

事例ページの項目

業種・地域・期間・課題・結果の5項目と、写真の説明の書き方

事例ページのひな形

現場のメモから、項目のそろった事例ができる

社内の表記ルール

社名・商品名の正しい書き方、使わない言葉

表記ルールの一覧

公開前のチェック漏れが減る

たとえば「年末年始の休業のお知らせを作って」と頼むと、AIはお知らせのスキルを選び、見本と同じ形で下書きを書きます。表記ルールのスキルも入れておけば、社名の書き方や使わない言葉まで、同じ流れの中で確かめてくれます。担当者が見るのは、日付と内容が正しいかどうかだけです。

スキルにしやすい仕事、しにくい仕事

スキルにしやすいのは、毎回の手順がほぼ同じで、良し悪しを言葉で説明できる仕事です。お知らせの形、事例ページの項目、写真の説明文の書き方などは、ルールを文章にできるので向いています。反対に、新しいサービスの打ち出し方や、トップページのデザインの方向性のように、その都度話し合って決める仕事は、スキルにしても手順が固まりません。こうした仕事は、プロンプトでその都度相談するほうが進めやすいでしょう。

AIに頼むたびに同じ説明をくり返している仕事があれば、スキルにする候補になります。

スキルにしやすい仕事と、しにくい仕事を分けた図。スキルにしやすいのは、毎回の手順がほぼ同じで、良し悪しを言葉で説明できる仕事。例はお知らせの形、事例ページの項目、写真の説明文の書き方で、スキルにする。しにくいのは、その都度話し合って決める仕事。例は新しいサービスの打ち出し方、トップページのデザインの方向性で、スキルにしても手順が固まらないため、プロンプトでその都度相談する。AIに頼むたびに同じ説明をくり返している仕事が、スキルにする候補。
図解:スキルにしやすい仕事と、しにくい仕事。RealAIze作成(2026年11月4日)。

どの作業をAIに任せ、どこを人が確かめるかの線引きは、AIに任せる仕事と、任せない仕事の見分け方で整理しています。下書きをCMSに登録するまでの流れは、AIでホームページを更新する方法をご覧ください。

スキルの作り方は4つの手順

SKILL.mdは文章を書くファイルなので、プログラミングの知識がなくても作れます。Claude・ChatGPT・Codexには作成を手伝う「skill-creator」があり、Geminiではチャットで作成を頼めます。

  1. 一度、AIと一緒に仕事をやってみる:たとえばお知らせを1本、AIとやりとりしながら仕上げます。途中で直した点が、そのままスキルに書くルールになります
  2. 作成用のスキルに、手順をまとめてもらう:1でやりとりした内容を渡し、スキルにまとめるよう頼みます。Geminiでは、チャットでそのまま頼めます
  3. 別の依頼で試して、直す:違う日付や内容で頼み、同じ品質の下書きが出るかを確かめます。AIがスキルを選ばないときは、説明文に「お知らせ」「休業」など、頼むときに使う言葉を足します
  4. 社内で共有する:ClaudeのTeam・Enterpriseプランなら、同僚との共有や組織への公開ができます。ほかのAIでもSKILL.mdのフォルダを渡せば同じスキルを使えます
スキルの作り方の4つの手順を示す図。1、一度AIと一緒に仕事をやってみる(途中で直した点がルールになる)。2、作成用のスキルに手順をまとめてもらう(skill-creator。Geminiはチャットで頼む)。3、別の依頼で試して直す。同じ品質の下書きが出るかを確かめ、AIがスキルを選ばないときは説明文に頼むときの言葉を足す。4、社内で共有する(SKILL.mdのフォルダを渡せば、ほかのAIでも使える)。プログラミングの知識がなくても作れる。
図解:スキルは、一度やった仕事から4つの手順で作る。RealAIze作成(2026年11月4日)。

GoogleはGeminiのヘルプで、良いスキルの条件として「使う場面をはっきり書く」「その仕事に固有のルールだけに絞る」「出来上がりの見本を入れる」の3つを挙げています。どのAIで作る場合にも当てはまる考え方です。

AIの使い方を広げていく順番は、AI活用力を上げる7つの項目で紹介しています。

安全に使うための注意

スキルはAIに手順とプログラムを渡すものなので、中身によってはAIの動きを大きく変えられます。Anthropicは、自分で作ったものか、Anthropicなど信頼できる提供元のものだけを使うよう呼びかけています。

  • 出どころの分からないスキルを入れない:インターネットで配られているスキルの中には、説明と違う動きをするものが混ざるおそれがあります。Claudeのヘルプは、同僚から共有されたスキルでも、入れる前に中身を確かめるよう勧めています
  • プログラムと外部への接続を確かめる:scriptsフォルダのプログラムや、外部のURLからデータを取ってくる指示がないかを見ます。外から取ってきた文章に、AIをだます指示が紛れ込む場合があるためです
  • パスワードや個人情報を書き込まない:スキルは共有して使うことが多いので、ログイン情報やお客様の情報は入れず、必要なときにその都度渡します
共有されたスキルを入れる前に、中身を確かめる3つの点の図。1、出どころ:自分で作ったものか、信頼できる提供元のものか。同僚から共有されたものも確かめる。2、プログラムと外部への接続:scriptsフォルダのプログラムや、外部のURLからデータを取ってくる指示がないか。外の文章にAIをだます指示が紛れることがある。3、パスワードや個人情報:ログイン情報やお客様の情報を書き込まない。必要なときにその都度渡す。確かめてから、AIに入れる。
図解:スキルは、入れる前に中身を確かめる。RealAIze作成(2026年11月4日)。

Claudeのアプリでは、スキルはコード実行の機能の上で動き、APIでは外部と通信できない隔離された環境で実行されます。Enterpriseプランでは、組織の設定で、アップロードされたスキルを使う前に危険な内容がないか自動で調べることもできます。CMSにつなぐ場合の権限の考え方は、EmDashのセキュリティの記事で説明しています。

最初の1本は、毎週くり返す作業から

当社の経験では、スキルにして手間が減りやすいのは、手順が決まっていて、頻繁にくり返す仕事です。ホームページなら、お知らせの更新や事例の追加がその代表です。目安として、月に1回しかない仕事より、毎週の仕事を1本スキルにするほうが、手間の減り方を早く実感できます。

最初は、普段AIに貼り付けているプロンプトを1つ選び、SKILL.mdに移すところから始めると取りかかりやすくなります。使いながら直していけば、社内の手順書にもなります。

よくある質問

エージェントスキルは無料で使えますか?

Claudeのヘルプセンターでは、無料プランを含むすべてのプランで使えると案内されています。設定でコード実行(ファイルの作成と編集)を有効にしたうえで、「Customize」の「Skills」から追加します。ChatGPT・Codex・Geminiで使える範囲は、各社の案内で最新の条件を確かめてください。

プログラミングの知識がなくても、スキルは作れますか?

作れます。SKILL.mdは文章で手順を書くファイルなので、プログラムを入れなくても動きます。Claude、ChatGPT、Codexには作成を手伝う「skill-creator」があり、Geminiではチャットでスキルの作成を頼めます。

Claudeで作ったスキルを、ChatGPTやGeminiでも使えますか?

同じSKILL.mdの形式なので、取り込んで使えます。GeminiはSKILL.mdのアップロードに対応しています(MacアプリとWeb版)。ただし、プログラムを含むスキルは、動かす環境によっては同じように動かないことがあるため、取り込んだ先で一度試してください。

スキルとMCPは、どちらを先に入れればいいですか?

文章の下書きや表記のチェックのように、AIの中で完結する仕事ならスキルだけで始められます。下書きをCMSに登録する、Googleドライブの資料を読む、といったほかのサービスに触れる仕事にはMCPも必要です。お知らせの書き方をスキルにしてから、CMSとつなぐ順番が進めやすいでしょう。

GeminiのGemは、スキルとどう違いますか?

Gemは、決まった役割を持たせた専用のAIを開いて使う機能です。スキルは、ふだんのチャットの中でAIが自分で選んで使います。Googleは、18歳以上の個人のアカウントでは2026年11月17日にGemを読み取り専用にし、12月17日に削除すると案内しています。Gemは自動でスキルに作り直されます。仕事用・学校用のアカウントでの切り替えは2027年の予定です。

スキルをたくさん入れると、AIの動きは遅くなりませんか?

AIがいつも読むのは、各スキルの名前と使いどころだけです。Claudeの公式ドキュメントでは、1つあたり約100トークン(AIが文章を読む単位)とされています。本文は関係する仕事のときにだけ読みます。ただし、Geminiで同時に有効にできるのは100個までなど、サービスごとの上限はあります。

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